誰でもできることから始める

普通の人間ならば当たり前のことばかりで恥ずかしくもあるが、自分のために書くことにする。私が考える必要なことは「準備すること」「やりきること」「見逃さないこと」の3つだ。

「準備すること」、この職業に就く前、私はお笑いタレントを生業にしていた。その頃のことを思い出して、コントのアイデアだしなどの時に、もっとアイデアが出せたのでは?トーク番組に出たときにもっと笑いがとれるトークができたのでは?と考えることがある。なぜできなかったのか?準備不足が原因だった。もちろん日々の努力が物を言う場面ではあるけれども、リラックスした精神状態に持って行くことや、トークのネタを一つぐらい(たとえボツになったとしても)用意するのは誰でもできることだ。準備することに才能なんて必要ない、明日ブレストと言われてもネタを一つぐらい考えつく。ボツになって同僚からバカにされるかもしれない。実際に使えないネタかもしれない。だけどネタを考えることで様々な考えが頭の中に浮かぶだろう。それはブレストを予習する事でもある。もしかしたら、自分のボツネタをリーダーがその他のネタとくっつけて、とんでもないネタが生み出されるかもしれない。それを素直に喜ぶばかりではダメだ。なぜならリーダーは、君よりはるかに多くの時間を準備に費やしている。リーダーの準備については、またいつか話せればと思うが、大事なことは準備して失敗してもリーダーは気にしない。しかし、準備しない事は容易にリーダーの信頼を失うことだ。

「やりきること」、いろいろあってお笑いタレントをやめることになった私が次に選んだ職業は、アシスタントマネージャーだ……平たく言えば付き人だ。

正直、このころの話はあまりしたくない。というか自分が屑すぎて屑すぎて…。本当に毎日失敗の連続で、ビール片手に信長の野望on-lineをやりながら反省する夜ばかりだった。なぜあれほど失敗したのか、今思えば付き人の頃は考えすぎていた。本当は考える必要などなく、ただ言われたことをやれば良かった。もちろん言われたこと事だけじゃダメだと言われたような気もするけれど、そんなわからないことを考えるぐらいなら、言われたことだけでもきっちりやる方がいい。これはクリエーターの仕事じゃないと感じる仕事もあるかもしれない、そんなときはブルース・リーの言葉を思い出してほしい。「ドンティンク、フィーーール」と。いや下手なプライドや不安に思う気持ちも要らない、「ドンティンク、ドンフィーーーール」でいい。いわれたことを確実にやりきること。仕事の中の基本中の基本だ。

「見逃さないこと」、今の会社に入って上司のこの言葉がいつも心にある「企画の仕事は雑用だから、プログラマー、グラフィッカー以外の仕事は全部、企画がするんだ」と。会社によっては仕事が細分化されて、本当にデザインと企画だけやればいいというところがあるかもしれない。プログラマーやグラフィッカーですら、必ずしもゲームをクリエイトする仕事ばかりではないかもしれない。企画という比較的曖昧な職種の場合には、本当にクリエイターと名乗る事が恥ずかしくなるほど、雑用に追われるときがある。ただ、その雑用に時々創造力を発揮できる仕事が紛れ込んでいる。いや、雑用の中にすら創造力を発揮する必要がある。その機会を決して見逃してはいけない。上司はなぜ企画の仕事は雑用ばかりだと言うのか、その中で光る創造性を見ているのだ。上司の真意はこうだ。「企画の仕事は雑用ばかりだ、しかしその中にこそ創造力を発揮しろ」

なんだか上司やリーダーの話ばかりになってしまった。チームの中でどう創造性を発揮するか、それが私は大事だと思う。